公式サイトより→クロマグロ等の展示数の減少について(平成27年1月14日)
Twitter公式アカウントから→ご心配をおかけしております。当園のマグロ類については、大学・研究機関にも協力いただき、原因の究明に努めております。進展がありましたら、改めてご連絡致します。何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。 (平成27年1月15日)
これは去年の9月27日に行ったときの様子。
葛西水族園と言えばマグロ、でしたよね。
葛西はマグロよりもその他の魚やサメの方が私にとっては魅力的だったりするんですが。
でもこの迫力はすごいですよね。
以下、報道の流れをまとめてみました。
あくまで個人的メモ的な。
朝日新聞デジタル
2015年1月14日21時25分
クロマグロやカツオ類、大量死 葛西臨海水族園
葛西臨海水族園(東京都江戸川区)は14日、ドーナツ型の大型水槽で展示しているクロマグロやカツオ類の群れで昨年12月から原因不明の大量死が発生していると発表した。12月1日現在で165匹いたが、135匹が死んで30匹になったという。死因は特定できておらず、同園は大学や国の研究機関にウイルスや細菌の有無などの診断を依頼している。
同園によると、大量死で昨年12月1日以降、クロマグロが46匹死んで14日時点で17匹、カツオの仲間のスマが63匹死んで4匹、ハガツオが26匹死んで9匹になった。クロマグロが1日に7匹死ぬこともあった。
水質の異常や寄生虫の発生は確認されていない。隣の水槽の改修工事が12月10日から始まったが、ストレスを与えないように工事時間や騒音には配慮していて、因果関係は不明だという。
同園によると、陸上の施設でクロマグロの群れを展示している唯一の施設。1989年の開園以来、展示の目玉にしているという。
2015年1月15日 1時20分
葛西臨海水族園でマグロなど大量死 原因究明急ぐ
葛西臨海水族園(東京・江戸川)は14日、展示中のクロマグロなど3種が昨年12月以降に相次いで死に、計30匹まで減ったと発表した。昨年11月1日時点では計159匹だった。水質の異常などは見つかっておらず、原因は調査中。園内の展示は続けるとしている。
大量死が確認されたのは、回遊魚を展示するドーナツ型の大型水槽(水量約2200トン)。12月上旬からカツオの仲間のスマとハガツオが自然減を上回るペースで死に、クロマグロも同下旬以降に減り始めた。
同園は薬剤を投与するなどしたが、効果は上がらず、大学や研究機関に依頼して病理診断検査を進めている。同園は「照度の変化や振動、音などがストレスとなった可能性もある」としている。
FNNニュース
2015年1月15日 12時40分
葛西臨海水族園で15日も数匹のマグロ死ぬ 1月中に全滅の可能性
東京・江戸川区の葛西臨海水族園でクロマグロなどが相次いで死んでいる問題で、15日も数匹のマグロが死に、水槽内のマグロが1月中にも全滅する可能性が出てきた。
水槽では通常、たくさんのマグロが泳いでいるが、非常に現在は少ない状況になっている。
15日朝も、3匹が死んだという。
葛西臨海水族園では、2014年12月20日以降、水槽内のクロマグロやハガツオなどが、およそ100匹死んでいる。
水槽内の魚は14日の時点で30匹だったが、15日朝も相次いで魚が死に、24匹に減少した。
水槽内では、魚が急に速く動くなど、異常事態が続いていて、このままのペースで魚が死に続ければ、月内にも水槽内のマグロなどが全滅する可能性が出てきた。
来場者は、「水槽の中に魚が少なくてびっくり」、「もうちょっと迫力あると思ったけど、ちょっと少なくて残念だった」と話した。
葛西臨海水族園・錦織一臣副園長は「今回のような短期間に大量に死んでいくという事態は初めてでございます。(大学・研究機関による)病理検査の結果を待っているという段階です」と話した。
病理検査の結果は、今週末に出る予定だが、クロマグロの調達は容易にはできず、しばらくは、大量のマグロを見ることができない状況が続くとみられている。
FNNニュース
2015年1月15日 19時55分
葛西臨海水族園でマグロ大量死 群れ全体のパニック状態が原因か
東京・江戸川区の人気水族館「葛西臨海水族園」の名物マグロの大群の水槽が一転スカスカの状態に。マグロ大量死の謎について、「ある可能性」が浮上している。
水槽のマグロの数が、かなり少なくなっている。
力強さとは程遠い泳ぎをするクロマグロの顔には、傷のようなものが見えた。
東京・江戸川区の葛西臨海水族園で起きている、マグロの謎の大量死。
かつては、巨大な水槽の中をマグロが所狭しと泳いでいたが、今では、水族園の名物だったマグロの大群は見る影もない。
水族園によると、2014年11月1日の時点で、クロマグロが69匹。
スマなど、あわせて159匹がいたが、12月20日以降、急激に減少。
15日朝も相次いで魚が死に、24匹しかいなくなってしまった。
なぜマグロの大量死が起きているのか。
水産総合研究センターの虫明敬一氏は「びっくりして、『狂奔遊泳』によって、群れ全体がパニック状態になるのは、クロマグロではよくあります」と話した。
狂奔遊泳とは、魚に何らかの強いストレスがかかることで魚が錯乱状態になること。
虫明氏によると、この錯乱状態が群れに伝染し、魚同士が激突、もしくは水槽にぶつかり、死んでしまったのではと指摘する。
水族園では、2014年12月10日から現在にかけて、マグロがいる水槽の近くで工事をしているというが、その音や振動が、魚のストレスになった可能性もあるという。
葛西臨海水族園の錦織一臣副園長は「寄生虫、外部によるストレス。あるいは騒音、普段はしていない工事の影響があったか」と話した。
現在、水族園では、外部の機関に病理検査を依頼していて、その結果は今週末に出る予定。
TBSニュースi
2015年1月15日23時32分
葛西臨海水族園 マグロ大量死、多くが背骨骨折
直径およそ30メートルの巨大水槽を泳ぐのは、クロマグロ。東京・江戸川区の葛西臨海水族園で、クロマグロが大量死した問題。15日、行ってみると、その姿はほとんどありません。
「さみしい。この水族館のメインだった気がしたので」(客)
死んだマグロを解剖してみると多くが背骨を骨折していたということですが、詳しい原因はわかっていません。
まだ、調査中ということなので、最終的に原因が判明するのかどうかも分からない様子みたいですが。心配です…。
個人的にはマグロの対面にあるカツオ水槽も大好きなので、こちらの魚も減っているようでそれまた心配だったりします…(´・ω・`)(写真は去年の9月27日のもの)
この件については続報がでてきたら随時更新していきたいと思います。
【1月17日更新】
葛西公式さんから続報がきましたね。
公式サイト→クロマグロ等の展示数の減少について(続報)
Twitter公式アカウントも更新されました→水族園では引き続き、夜間の照明の消灯を中止するなど、ストレスとなりうる刺激を極力排除するとともに、専門家による病理診断もおこなっています。1月16日現在、まだ病理診断は出ておりませんが、原因の究明に努めていきます。最新の情報については前ツイートのHPをご確認ください。
これは全滅の可能性が大きくなってきたかもですねぇ…。
一部報道では「絶滅」と言ったりしていますが、言葉が違うよね。「全滅」ですよね。細かいことですが、テレビでも大きく取り上げられているからこそ、丁寧に報道してもらいたいです。
病理検査の結果が出たらある程度の結論を出してくると思うので引き続き注視していきたいと思います。
公式さんから本日9時半の個体数の更新が出ました。
公式サイトから一覧表を抜き出させてもらいました。
ああ…本当に全滅間近じゃないですか…。
【1月18日11時更新】
個体数の更新がされましたね。
クロマグロ→7
スマ→1
ハガツオ→5
何とかここでふんばってほしいものです…。
【1月19日10時更新】
個体数更新
クロマグロ→6
スマ→0
ハガツオ→5
もしかして12月に数十匹導入したスマがなにか持ち込んだ?とか当初一部でささやかれていましたが、そのスマが全滅してしまいました。
各種検査の結果もそろそろ公表されるのではと思うので引き続き注視体制でいきます。
【1月20日10時更新】
個体数更新
うーーーーーむ。これは…。
TBSニュースiより引用
2015年1月19日21時21分
葛西臨海水族園での大量死、マグロはあと6匹に
東京・江戸川区の「都立葛西臨海水族園」で展示しているマグロなどが大量死している問題で、またクロマグロが死に、残るはあと6匹になりました。今月中に全滅する可能性があります。
葛西臨海水族園をめぐってはドーナツ型水槽で展示していたクロマグロのほか、カツオの仲間のスマやハガツオを展示していましたが、去年11月1日時点であわせて159匹だったのが10匹に減少しました。
特に水族園の目玉であるクロマグロについては69匹だったのが今月18日から19日にかけて新たに1匹死に、残るはあと6匹になりました。このままだと今月中に全滅する可能性があるということです。このほか、スマはすでに全滅、ハガツオも1匹死んで、あと4匹になりました。
水族園では夜間に照明を消すなどストレスとなる刺激を極力排除するとともに、研究機関に依頼し原因を調べています。
(引用ここまで)
報道でも引き続き注目してくれていますね。
関心度が高いせいもあって以下のような記事も見受けられるようになっています。
The Huffington Postより引用
2015年01月19日 17時18分
大量死のクロマグロは食卓に並ぶのか? 葛西臨海水族園に聞いてみた
東京都江戸川区の葛西臨海水族園で目玉展示となっているクロマグロの群れで、原因不明の大量死が続いている。
2014年11月1日時点で69匹いたクロマグロが少しずつ数を減らし、1月19日時点で生き残っているのは、わずか6匹。死因は特定できておらず、同園では大学や国の研究機関にウイルスや細菌の有無などの診断を依頼しているが、このままのペースでいけば1月中にも全滅する可能性が出てきた。
しかし、クロマグロと言えば、寿司ネタや刺身のトロなどで知られる高級食材。死んだのは60匹以上にもなるが、食用として寿司や刺身に加工されることはあるのだろうか。葛西臨海水族園の広報担当者に電話取材すると、次のような返事が返ってきた。
「いえ、食用に使うことは全くありません。通常であれば、死因を調べるために解剖した後に、園内にある処理機にかけて肥料にしたり、焼却炉で処分しています。ただし、今回のケースは病理解剖して原因を究明する必要があるため、今後の資料としても役立つ可能性があるため、なるべく保存しています」
大量死したクロマグロの刺身が、寿司店で握られることはなかったようだ。
(引用ここまで)
ちょっと言わせて。ちょっとだけ。
大量死が最初に報道された時もまっさきに「盛大にマグロ解体ショーだ!」とか言う人はいました。もちろん冗談で言っている人がほとんどだろうとは思いますが。
水族館で死亡した生き物を食材とすることはまずないし、市場に流通することは絶対にないですよね。ちょっと考えれば分かることではないかと思うのですが…。
きっとこの記事のように水族園にお問い合わせされている方がたくさんいるんだろうと思います。
対応されている葛西の職員さん、お疲れさまです…。
本気で食べようぜ、とか思っている方がいるのであれば、それはとても悲しいことですね。
水族館は養殖施設ではありません。
水族館で魚を見て「おいしそう」と言うことは私だってあります。褒め言葉になってるくらい。
でも、本気で食べたいと思うことはないです。
まあ、ここらへんは感性とか考え方の違いもありますからね。グダグダ言ってんじゃねー、ってとこでしょうか。
あと、一番最初の報道の時から
大地震の前触れ
福島第一原発からの放射能のせいだ
といったご意見がかなり見受けられました。
まだ検査結果も出揃ってないし、想像の域だけで不安を煽るのはやめてほしいと思いました。
水族館の職員は生き物を扱うプロです、水質や餌の放射能検査は当然行っていると思いますよ。
また、イルカやクジラの大量座礁があった後、本当に大地震がきているのか、ということを調査公表されている方もたくさんいますが、大地震と直結して考えられる座礁はひとつもないようですね。
水族館内で飼育されているマグロが大地震を予測するなんて、ちょっと考えたら見当はずれだって思いませんか?
都内の水族館でおきたことでもあり、関東圏ではニュースとして大きく取り上げられていますが、面白おかしく茶化すような記事やコメントは読んでいて悲しくなります。
おっと、「ちょっと言わせて」が長くなってしまいました。
引き続き、注目していきたいと思います。
【2015年1月20日17時更新】
公式サイトで病理検査の結果についての情報が出ました。
以下公式サイトより引用。
クロマグロ等の病理検査について
2015/01/20
葛西臨海水族園の展示水槽「大洋の航海者:マグロ」では、お知らせしているとおり、展示中のクロマグロ、スマ、ハガツオの死亡が2014年12月から続いております。死亡の原因として病気の可能性もあることから、検体を複数の研究機関に送って病理検査をおこなっておりましたが、本日1月20日、ウイルスが検出されたとの報告が、そのうちの一機関からありました。
引き続き、ほかの機関の検査結果も踏まえ、総合的に死亡原因を検証してまいります。
(1)病理検査結果
病理検査を依頼した検体すべて(クロマグロ:2検体、スマ:1検体)からウイルスが検出されたため、現在ウイルスの特定を進めています。
(2)現在の展示生物(2015年1月20日15時現在)
クロマグロ(全長100~130cm):3個体
ハガツオ(全長50~60cm):4個体
合計2種 7個体
(3)2015年1月14日以降の展示数の推移
本水槽で展示していた3種について、展示数は以下のように推移しています。
(引用ここまで)
この情報を受けて各報道機関でも情報が出てきました。
朝日新聞デジタル から引用
2015年1月20日20時44分
マグロの脾臓からウイルス 大量死の葛西臨海水族園
葛西臨海水族園(東京都江戸川区)でマグロやカツオが大量死した問題で、東京都は20日、クロマグロ2匹とスマ(カツオの仲間)1匹の死体の内臓からウイルスが検出されたと発表した。大量死の原因の可能性があり、病原性かどうかを含めウイルスの特定を進める。
都は10日に解剖した3匹の病理検査を日大生物資源科学部に依頼。培養検査の結果、3匹ともに脾臓(ひぞう)の細胞からウイルスが検出された。いずれも脾臓が変性しており、悪影響を及ぼすウイルスとみられる。同時に培養した脳からは3匹ともにウイルスは見つかっていないという。
同園には昨年12月1日の時点でマグロとスマ、ハガツオが計165匹いたが、スマは19日までに全滅し、20日夕の時点でマグロ3匹、ハガツオ4匹まで激減している。錦織一臣副園長は「7匹もあまり良い状態ではない」と話している。
(引用ここまで)
ウイルス出ましたか…。
やっぱり全滅は避けられない可能性が高くなったかもしれないですね。
それどころか、しばらくあの水槽は使えない可能性まで出てきたのではないでしょうか。
なんとか生き残ってほしいと思いつつ、厳しい現実。本当に悲しいです。
【2015年1月21日10時更新】
個体数の更新が公式サイトでありましたね。
昨日と変わらず、クロマグロ3匹、ハガツオ4匹の計7匹だそうです。
病理検査のニュースが色々なところで報じられている中で、今回ウイルスを発見したのは日大のようだと分かりました。その他にも検査機関に依頼しているようですので、他にも何か出てくるのかもしれませんね。
【2015年1月22日10時更新】
毎朝恒例となっている9時半の時点での個体数の更新が発表されています。
昨日と同じクロマグロ3匹、ハガツオ4匹。
ただ、今日葛西に行かれている方でハガツオが目の前で落ちたとツイッターに投稿されていた方もいたので…。
【2015年1月23日10時更新】
公式さん更新。
クロマグロ等の展示数の減少について(続報、1/23 10時更新)
夜間の照明の消灯を中止するなど、ストレスとなりうる刺激(明るさの変化、工事や作業による振動や音など)を極力排除するよう取り組むとともに、専門家による病理診断をおこなっています。
1月20日にこちらの記事でお知らせしたとおり、病理検査を依頼している複数の検査機関のうち一機関から、ウイルスが検出されたとの報告がありました。引き続き、ほかの機関からの検査結果も踏まえ、総合的に原因の究明に努めます。
【2015年1月26日10時更新】
(すみません、ここの記事更新を週末はお休みしていました…。週末だからといって非常事態に休みもヘッタクレもないわけで…ホントすみません)
公式サイトの個体数更新の一覧を引用です。
ああ、ついにハガツオも全滅…。
残ったマグロ3匹の状態はどうなんでしょうか。続報を待ちます。
【2015年1月27日10:00更新】
公式サイトにて個体数の更新がありました。
昨日の16:30、本日の9:30ともにクロマグロ3匹で変化なし。
テレビのニュースでも珍しく続報が断続的に報道されていますね。
【2015年1月28日10:00更新】
個体数の更新。
昨日の16:30、本日の9:30ともにクロマグロ3匹。
この残った3匹は強いね。このまま生き残ってほしい。
ところで、昨日テレビのニュースで全滅したハガツオのことを「ハツガツオ」と言い間違えてるアナウンサーがいて。ちょっと苦笑。
【2015年1月29日10:00更新】
個体数更新、変化なし。
日大で検査されたマグロからウイルスが出たという一報の後、その他の検査機関の検査結果などが一切出てこないのはまだ精査中なのかしら…。
【2015年1月30日10:00更新】
個体数更新。変化なし。
1月いっぱいで、ここの記事まとめもいったん〆ましょうかね。
【2015年2月1日10時更新】
個体数更新、クロマグロ3匹で変化なし。
検査結果なり、原因の考察なり、何かしら発表があると思っていたのですが、今のところ個体数の更新以外何も変化がありませんね。
ウィルスが見つかったといっても、そのウイルスがどのようなものだったのかもまだ発表されていません。
まだ時間がかかるんでしょうかね。
いったんここでの追っかけは終了としますね。
また新たな展開があれば記事としてまとめるかもしれません。
【2016年4月11日追記】
公式サイトにて今回のクロマグロ大量死の原因についての調査結果について発表されました。
(以下公式サイトから一部抜粋)
専門家の助言を得ながら死亡原因調査をおこなってきましたが、単一要因によって減少に至ったとは特定できませんでした。
また、影響を与えた可能性がある複数の要因について対策を講じた上で、段階的に魚の導入を進め、マグロ類の再導入から約10か月が経過しましたが、現在も水槽内の環境は安定しています。
これらのことから、以前のマグロ類の減少は単一の要因によるものではなく、間接・直接的な複数の要因が時に重層化し、複合的に作用したものと判断しました。
この件についてNHK NEWS WEBが詳しくニュースにしていました。
(以下こちらの記事を引用)
葛西臨海水族園マグロ大量死「複合的要因」で
東京の葛西臨海水族園でクロマグロなどが大量に死んだ問題で、水族園は水中に溶け込んだ空気の濃度が異常に高くなり、血管に気泡ができる「ガス病」の疑いがあるとした一方で、唯一の要因とは考えられず、照明の交換などによる明るさの変化やストレスなど複合的な要因が重なったとする報告書をまとめました。
東京・江戸川区の都立葛西臨海水族園では、クロマグロなどの回遊魚を多いときで190匹飼育していましたが、おととし11月から相次いで死に、去年3月にはマグロ1匹が残るだけとなりました。
その後、段階的にマグロと近い種類の魚を水槽に入れ、異常がないことを確認したうえで、去年6月からマグロの飼育を再開し、大量死の原因について調査を続けてきました。7日、その調査結果の報告書がまとまり、水族園の錦織一臣副園長らが都庁で記者会見しました。
それによりますと、死んだ個体を調べたところ、水中に溶け込んだ空気の濃度が異常に高くなり、魚の血管に気泡ができる「ガス病」の疑いがあることが分かったということです。ガス病は水槽の水を循環させる配管に空気が混入して起きる可能性があり、水族園が配管を調べたところ、接続部分のパッキンの劣化などが確認されたため、その後、点検や保守を強化しているということです。
一方、ガス病の症状は一部の個体にしか見られなかったことから、唯一の要因とは考えられないとして、照明設備の交換などによる明るさの変化や5年ぶりの産卵行動に伴うストレスなども影響した可能性があるとして、複合的な要因が重なったと結論づけています。
水族園では水中の気体の濃度を測定する機器を新たに導入するなど可能性のある要因への対策をすでに取っているということです。
葛西臨海水族園の錦織副園長は「引き続き、慎重に観察を続け、以前のような迫力ある展示の回復を進めていきたい」と話しています。
「報告書は大変参考になる」
葛西臨海水族園が今回公表した報告書について、世界で初めてマグロの完全養殖に成功した近畿大学の熊井英水名誉教授は「水族館で起きた大量死はマグロの養殖にとっても大きな課題で、報告書は大変参考になると思う」と話しています。
熊井名誉教授はまず、今回の報告書でマグロの大量死が「ガス病」をはじめとした複合的な要因が重なっておきたとされたことについて、「マグロは繊細な生き物なので、私もいろいろな要素が重なって起きたものだと考えていた」と指摘しました。そのうえで熊井名誉教授は「報告書の中で特に気になったのが『ガス病』だ。淡水で養殖するウナギのガス病は聞いたことがあるが、海水の生けすでガス病が起きたのは聞いたことがない。水族館で起きた大量死はマグロ養殖にとっても大きな課題で、今回の報告書は大変参考になると思う」と話しています。
マグロ大量死の経緯
葛西臨海水族園は17年前の平成11年に世界で始めて水槽の中でのクロマグロの産卵に成功するなど、国内有数のマグロの飼育施設で、ドーナツ型の巨大な水槽でクロマグロやハガツオなどの回遊魚を、多いときで190匹飼育していました。
しかし、おととし11月以降、マグロなどの回遊魚が突然、垂直に泳ぎ出すなど異常な行動が目立つようになったり、水槽に衝突する魚が増えたりして相次いで死んでいきました。その結果、去年3月にはマグロ1匹が残るだけとなりました。
水族園では当初、死んだ一部の魚からウイルスが検出されたため、大学や研究機関に依頼して調査しましたが、養殖業者などが感染を懸念している「マダイイリドウイルス」など毒性の強いウイルスではないと分かった一方、種類は特定できませんでした。
また、魚が相次いで死んでいた時期に水槽周辺で工事が行われていたため、水族園では騒音や振動といった環境要因なども否定できないとしていました。
水族園では原因不明のまま、去年春から徐々にマグロに近い種類の魚を水槽に入れ、異常がないことを確認したうえで、去年6月から新たなマグロを入れて飼育を再開しています。
(引用ここまで)
結局、決定的な要因は分からなかったってことですかね…。今回の葛西さんは大々的に報じられたこともあってかかなり慎重に進められていたと思います。
今いるマグロたちが無事成長してまたあの迫力ある水槽が見れる日がくることを祈っています。
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